ポップでハッピーのその先にあるもの

JUMP大好き!アラフォー仕事人のブログ

カラフト伯父さん 感想

5月23日(土)舞台「カラフト伯父さん」昼の部を見てきました。記憶が鮮明なうちに感想など。

伊野尾慧×神戸の町工場×震災×VS父親

「カラフト伯父さん」の主役をいのちゃんがやる、という第一報が入ったとき、まず「カラフト伯父さん」とは何なのかということを調べました。鄭義信の脚本・演出ということで、作品のイメージはすぐに浮かんだのですが、(血と骨など鄭作品は見ていたので)そのイメージはあまりにもいのちゃんとかけ離れていて、正直積極的にこの舞台を見たい!というテンションにはなりませんでした。

でも昨年、散々悩んだあげく当日券で「殺風景」を見て、舞台自体がどうこうというよりもあの瞬間のひかるくんの全力を見届けられたことが後々この舞台を語るひかるくんやメンバーが言ってることを理解する上でとても大切だった、という経験があったので、今回は早めに席はおさえました。

私は基本的に鄭的世界観や赤堀的世界観が嫌いではないです。でもそういうものを求めてHey! Say! JUMPを応援しているわけではないんです。私がHey! Say! JUMPに求めるものは“ポップでハッピーな気持ち”。そんな気持ちを求めてHey! Say! JUMPを担当してるのに、なんであえて最低の父親やどうしようもない女たちを描く演出家の舞台を見て、現実をつきつけられなければならないのか。

そう。鄭的世界って結構私の身近なんです。大阪の下町の零細企業の娘として生まれ、在日韓国人コミュニティは常に近いところにありました。「血と骨」は作品として楽しむというよりも、中学で机を並べていた友達の親の話を見ているようでした。

そんな鄭的世界にいのちゃんが!!ゆるふわ王子が!!どう入っていってどんな化学反応を起こすのか、それを私は受け止められるのか、不安しかなかったのが正直なところでした。

それら全て包み込み覆す伊野尾慧の「ゆとり力」

そんな不安いっぱいの思いで見届けた「カラフト伯父さん」。鑑賞後の印象は「いのちゃんは立派に座長だった」ということです。申し訳ないけど、どうしても「殺風景」と比べてしまうのですが、ひかるくんはあの期間すごく辛そうでした。はじめてのストレートプレイに加え、あの舞台は脚本・演出の葛藤もひきうけなければいけなかったので、(赤堀雅秋は最後までジャニを主役にすることに迷いが見えた)本来、背負わなくていいものまで背負っていっぱいいっぱいに見えました。でもそれこそがたまらなく美しくて。“光る日常”にこんな記述がありました「ヒルナンデスのスタッフさんが舞台を見に来てくれて、東京ドームでのコンサートでアイドルやって、ヒルナンデスではバラエティやって、こんな舞台もやってよく気が狂わないね」と言われた、と。これは我々オタクもほんとそう思っていて、気が狂いそうになりながらやり遂げたからこそ、ひかるくんはこれを書いたんだな、と涙にくれたものでした。

翻っていのちゃんですよ。なんなんだあの“いのお作文”は(笑)。食べたものの報告にはじまり、食べたものの報告に終わる(たぶん)。パンフレットの対談からも、鄭さんや役者さんたちとのやりとりからも終始ただよってくる“ほんわり感”

いや、別にいのちゃんが何も考えていないといっているわけでは決してないのです。1万字インタビューにもあったように、楽しいことだけ語っていたい、という信念だけは決して譲らない人なのです、彼は。だから自分が大学時代にフィールドワークを重ねた東北の震災現場とこの物語を重ね、どうしようもない思いに悩んだ夜もあったことでしょうよ。たぶん絶対言わないだろうけども。

あれだけどうしようもない父親と苦しみを抱えた息子の話なのだから、「血と骨」における新井浩文に求められたものを当然求められるポジションにいるのが今回のいのちゃんのはずなんだけど、なんとなくメルヘン仕上げになり、最後にはアイドルいのちゃんのお手振りも見られてしまい、鑑賞後の感覚も「ほっこり」が残る、という。これが伊野尾慧のゆとり力なのだ、と思い知らされた舞台でした。

 これからの伊野尾慧とHey! Say! JUMP

なんか今回の舞台を見て思ったのが、いのちゃんはサブカル寄りの映画にサイテー男の役で出たら似合いそうだな、と。「ジョゼと虎と魚たち」で妻夫木聡がやった役みたいな。お!犬童一心つながったぞ!ダークシステム!!(笑)。

今年の秋には山ちゃんの「グラスホッパー」が、来年早々には裕翔くんの「ピンクとグレー」が公開され、アイドルだけじゃないHey! Say! JUMPを見る機会が既に約束されています。成長を見せることこそがアイドルの芸だと思っているので、そこで彼らがどんな新しい顔を見せてくれるのか、我々オタは粛々と待っておりますわよ。

まとめ

そんな感じで今日は「カラフト伯父さん」の感想を書いてみました。私たちも日々の仕事の中で「これは私がやるべき仕事なのかな?」と思ったものがあったとしても、あえてそれにチャレンジすることで新しい可能性が開けるかもしれません。また“私らしくない仕事”でさえも“私らしい仕事”に変えてみせるヒントはこのいのちゃんの「ゆとり力」にあるかも…。

最後までお読みいただきありがとうございます!